情報科学研究科 メディア科学専攻

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知能メディア工学講座

脳を知り、脳を創り、脳を助ける

大西昇●おおにしのぼる
名古屋大学大学院情報科学研究科・教授

人間は、見る、聞く、言葉を理解するという重要な情報処理を行っています。このような処理を行っている脳を知り/創り/助けることをモットーに、私達は、1)人間での情報処理の仕組みの理解、2)人間の優れた機能に学ぶと同時に独創的な着想に基づく視聴覚情報処理の計算機による工学的な実現(人工知能)、さらに、3)視聴覚機能を代替あるいは支援する福祉機器(福祉工学)、の研究をしています。 最近の研究は、屋内・外のシーンを撮影した画像中の文字情報の抽出、複数の音が混じった信号から個々の音の分離、環境内で発生する音の識別、運動及び感覚系の教師なし学習、視聴覚事象の対応付けと知識の獲得、などです。これらの研究は、人間の能力を拡大する、あるいは人間を助けることにつながるもので、これが私の研究の指針です。 …

人間の情報処理機能のモデル化と応用

工藤博章●くどうひろあき
名古屋大学大学院情報科学研究科・准教授

人間は、優れた情報処理機構を備えています。そのような情報処理機構を解明していくことは、人間自身の仕組みを知るという科学的探求の面からは、もちろんのこと、その仕組みを手掛かりにして、工学的に応用することが期待されています。人間の情報処理機能を模倣することによって、学習機械として新たな手法の発見を得ることや、人間の特性を考慮することによって「人間に優しいインタフェース」の設計開発などの基礎データを提供することが可能となります。このような考えのもと、生体機能計測のための独自の実験システムの設計及び情報処理過程のモデル化と、その工学的応用に取り組んでいます。 …

視聴覚情報の統合

竹内義則●たけうちよしのり
名古屋大学情報連携統括本部情報戦略室・准教授

人間は動いているものを目で追い、耳で音の発生している方向を定位する優れた機能を持ちます。例えば、複数の人物から話者を特定し、その人物を見続けるといったことが可能です。このような機能を視覚、聴覚センサを利用して複数の人物を追跡するといった研究を行っています。特に、視覚の手がかりと聴覚の手がかりを統合することによって、よりよいシステムの構築を目指しています。 またその応用として、視覚や聴覚の機能を失った障害者に対する感覚代行や支援の研究を行っています。特に、聴覚障害者が講義を受ける際に問題となる学生間のコミュニケーション支援や、遠隔地手話通訳の研究に取り組んでいます。 …

柔軟な情報システムを目指して

松本哲也●まつもとてつや
名古屋大学大学院情報科学研究科・助教

ニューラルネット・統計的学習手法を用いて、画像等のマルチメディアデータの認識・理解を行う情報システムに関する研究を行っています。システムの利用者はそれぞれ異なった嗜好・目的を有し、各自の流儀で情報システムを利用しようとします。これら利用者側の多様性を、システムの学習能力で如何にして吸収し、個々の目的に対応していくか。人間であるユーザの多様性に対応可能な、柔軟な学習システムを構築していくことが目的です。 …

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